肺って大きの?小さいの?どうやって動くの?
暦の上では、霜降も過ぎ、晩秋の季節です。今年のベルリンは、
例年よりも長く紅葉を楽しめましたが、それでもハラハラと落ち葉が舞い、
ハロウィンを過ぎるとベルリンは、どんどん日照時間が短くなり、
気分が落ち込むと猫背になりがちなので、「肺」
暗く落ち込みやすいこの季節には、深い呼吸で酸素をしっかり取り入れて、
体の中から元気になっていきたいですね。
今日は、深い呼吸に関わりのある肺について、お伝えします。
肺って大きの?小さいの?どうやって動くの?
肺の大きさ
ある日、カキラのレッスンをしている時、
鎖骨に触れながら、肺って、この辺りまでありますよ。
っとお伝えすると。
えっ、
肺って、胸の辺りにあって、
心臓ぐらいの大きさだと思っていました。
と、お客様。
肺の大きさなんて、あまり想像したことは、ないですよね。
胸の辺りに、小さく、ちょっこりとある。
といったイメージの方も、
多いかもしれません。
私も、実際の肺の大きさを知って、
驚いた記憶があります。
実際には、
肺は、鎖骨のちょっと上まであります。
例えば、鎖骨が海で、
ちょこっと出ている肺の一部が氷山の一角だとすると、
その下はとっても大きな氷山が隠れています。
タイタニック号がぶつかったぐらい、大きな氷山(笑)。
どれぐらい大きいのでしょう?
肺は、肋骨、胸骨、背骨で構成される、
胸郭という鳥かごのような形の骨格の中に、おさまっています。
第一肋骨が、鎖骨の少し上に位置します。
だから、ここまで、肺があるんですね。
上は、鎖骨のちょっと上ぐらいと覚えておきましょう。
そして、下は、
籠状に繋がっている第十肋骨ぐらいまでは十分にあります。
10番目の肋骨は、ちょうど肘の高さぐらい。
だいたい下は、肘の高さぐらいと覚えておきましょう。
つまり、肺は、鎖骨のちょっと上から、肘の高さまであるのです。
ずいぶん大きな氷山でしょ(笑)。
そして、肺は、ぺったんこではなく、
当たり前ですが、丸みを帯びた3Dの立体です。
前にも、横にも、後ろにもあります。
普段、自分の胴体を目にするのは、鏡で見ることが多いので、
どうしても前からのイメージが強くなり、平面的に捉えがちです。
女性の方は、特に、乳房があるので、
肺は、乳房と同じぐらいのイメージの方も多いかもしれません。
カキラのお客様が、
肺は、胸のあたりに、心臓ぐらいの大きさで2つあると思われたのも、
無理ないですね。
でも、実際は、肺は、前だけにあるのではなく、
横にも後ろにも広がっています。
鎖骨のラインを背中の方まで伸ばしていくと、
肩が凝った時にもみたくなる所に指がかかります。
そこも、中には、肺があります。
背中で言うと、首の下のラインから肘まで背中一杯に、肺があります。
ずいぶん大きいですね。
背中の殆どが肺。
首の下から肘まで、前も、横も後ろも肺。
いーっぱい酸素が入りそうでしょ。
同じ深呼吸でも、
肺は胸の前に小さくあるとイメージして、
胸の前の方だけで吸う時と、
実際の肺の大きさをイメージして吸う時とでは、
ずいぶんと、吸える量が違ってきます。
どうぞ試して見てくださいね。
前述のカキラのお客様は、どんどん吸えます〜、とニコニコして下さいました。
肺に酸素を取り込むには、背中が鍵
思っていたよりはるかに大きく、
内蔵の中で一番大きな肺ですが、
肺自身は自分では、膨らむことが出来ません。
では、どうやって、膨らむのでしょう?
肺は、肺が入っている入れ物の動きで、
受動的に膨らむことができます。
肺が収まっている入れ物は、胸郭と言います。
胸郭とは、鳥かごのような形をしている部分です。
胸郭の構成物は、
胸骨、肋骨、胸椎
という3種類の骨。
胸骨は、
胸のど真ん中にある縦長の硬い骨。
胸の真ん中を触ってもらうと、硬い骨がありますね。
それが、胸骨です。
肋骨は、鳥かごの柵のような骨。
胸の辺りや、脇の下や背中を擦ると、
ゴリゴリとした洗濯板のような骨がありますね。
前から横、後ろへかけて丸いカーブを描く骨が並んでいます。
これが、肋骨です。
肋骨は、左に12本、右に12本あります。
胸椎は、背骨の一部。
そう、背中にあります。
胸椎も肋骨と同じく12個あります。
そして、肋骨と関節で繋がっています。
関節なので、動くのです。
この肋骨と背骨の関節を肋椎関節と言います。
私達がお伝えしている肋骨エクササイズKaQiLa〜カキラ〜は、
この肋椎関節の動きで背骨を動かし、整えます。
肋椎関節は、肋骨と背骨の間の関節ですが、この関節、とっても面白いのです。
なんと、肋骨は、2つの背骨の間にはさまるように付着しているのです。
初めてその事実を知った時の衝撃!すごかったですね〜。
しかも、肋骨って一本一本が動くって言うではありませんか。
私、肋骨が動くなんて想像もしていなかったんです。
肋骨と背骨を、それぞれ、棒と、2つの木片だと考えた時、
2つの木片の間に棒が挟まっていて、その棒が動けば、
そりゃ、2つの木片も動きますよね。
へー、体って面白い、よく出来てるなぁて思ったものです。
そして、この肋椎関節は、体を動かしたり、呼吸をすると動くのです。
肋椎関節が動いたり、胸椎同士の関節が動くことで、
肺が入っている胸郭は、
形を変えることができるのです。
肺が入ってる鳥かごのような胸郭って、
ガッチリしていて、形を変化させるなんて、
あまりピン来ませんね。
でも、僅かな動きですが、ちゃーんと動きます。
この僅かな動きが出なくて、不調が出ることって多いんですよ。
さて、背中からみた背骨の図をみると、
私にはファスナーに見えるんです。
たぶん、スガシカオさんの「ファスナー」って曲の影響かも。
カキラのレッスンで深呼吸をして頂くとき、
背中のファスナー開けてキラキラした空気を入れて下さいとか、
セミの脱皮みたいに、羽を広げて下さいなどと、
言っちゃいます。
肋椎関節や背骨同士の関節が動いて、背中側にふぁっとたくさん息が入ると、
お客様のお顔がどんどんと、ほころんできます。
気分が落ち込みやす季節でも、
大きな大きな肺のイメージと、
背中にファスナーのイメージで、
胸郭をいっぱい動かして、肺いっぱいに、
秋のちょっとピリッとした空気を吸い込んで、
元気に過ごして下さいね。
肺の大きさを最大限に活かすエクササイズ
肺は、肺が入っている胸郭の動きで、
受動的に動くのでした。
その胸郭を構成する肋骨や胸椎を多種多様に動かし、
胸郭の形を変化させ、
中に入る肺の膨らみを、しっかり引き出すことができるのは、
私達がお伝えしているカキラの得意とするところです。
深く呼吸ができると、気持ちも落ち着きます。
暗く落ち込みやすいこの季節には、深い呼吸で酸素をしっかり取り入れて、
体の中から元気になっていきたいものです。
肺の大きさを最大限に活かすことができるエクササイズ、
カキラを一緒にしましょう!