呼吸についてVol.2 安静時の呼吸 息を吸う・吐く時の肺の動き
安静時の呼吸についてお伝えします。
安静時の呼吸作用
息を吸う
息を吸うと肺は膨らみ、体の中へ空気を取り込むことができます。
でも、肺は、自分で膨らむことはできません。肺が膨らむのは、周囲に引っ張られる
からです。
どうしたら、肺を外へひっぱることができるのでしょうか。
(今回は、安静時の呼吸について取り上げます。)
安静時、息を吸う時に働く呼吸筋は、主に横隔膜と外肋間筋です。
横隔膜って?
横隔膜は、肺がある胸腔と腸などがある腹腔を分ける、ドームのような形をした
膜状の筋肉です。
横隔膜というので、ペラペラの薄い膜を想像しますが、そうではなく、伸縮性のある筋
肉です。焼肉屋さんにあるハラミですね。
吸気時に、横隔膜は、ドーム型の天井をお腹の方へ、収縮させて下げていきます。
外肋間筋って?
皆さんは、スペアリブはお好きですか?香ばしく焼けたスペアリブ、美味しいですね。
骨と骨の間にある肉を、かぶりついて食べますよね。
あの骨は、肋骨で、その間にある肉は、外肋間筋や内肋間筋などです。
お腹吸いてきたなぁ。
外肋間筋は、片側12本の肋骨一本一本の間にあるので、片側11箇所あります。
吸気時に、外肋間筋は、収縮しますが、その時に、下側にある肋骨を、ぐいっと持ち
上げます。11箇所もある外肋間筋がこの動きをします。
さて、
息を吸う吸気時は、
横隔膜が収縮して下がり、
肋骨と肋骨の間にある外肋間筋、その外肋間筋が下側の肋骨を掴んで引き上げるように
収縮するので、
胸、胸郭が膨らみます。
胸郭の容積が大きくなり、中の胸腔は広い部屋になります。
もう一度、前回の記事で書いたクルミのイメージを思い出して下さい。
硬い殻が胸郭で、内部の空間が胸腔、
殻の内側に張り付くようにある膜とナッツを覆う薄皮が外側の胸膜と内側の胸膜、
その間が胸膜腔、
ナッツ部分が肺。
肺を包む胸膜は、胸膜腔という空間がありました。
胸膜には、外側部分と内側部分があり、付着しているものが違いました。
胸膜の外側部分は、胸腔を構成する骨や筋肉(胸骨、肋骨、胸椎、外肋間筋、横隔膜など)に付着していましたね。
上記のように、肋骨や、外肋間筋、横隔膜などが、胸郭の容積(胸腔)が大きくなるよ
うに動くと、それらに付着している胸膜の外側部分は引っ張られます。
すると、胸膜腔内の圧力が下がります。
そのことで、肺は、胸膜の内側部分にひっぱられて、膨らみます。
その結果、口や鼻から気道を通って、空気が肺へ送り込まれていきます。
つまり、肺が膨らむためには、胸郭という入れ物が大きくなり、肺を包み込む胸膜の胸
膜腔の圧力が下がらなければ、なりません。
息を吐く
こちらも、安静時で考えます。
息を吐く呼気時は、
横隔膜が弛緩して上方へ戻り、外肋間筋も弛緩することで胸郭がもとの位置に戻りま
す。
胸郭の容積(胸腔)も、もとの大きさの部屋になります。
胸腔が元のように狭まったので、吸気時に下がっていた胸膜腔内の圧が消滅します。
その結果、外側に引っ張られていた肺は、自分の弾性収縮力で縮もうとします。
この一連の過程により、肺内のガスが気道を通って口や鼻から自然と吐き出されます。
ここでも、肺が縮むためには、胸郭の大きさの変化が必要ですが、その作用は、受動的
な作用です。全てのものが、元の鞘に収まっていくという感じですね。
深く息が吸えるエクササイズ
安静時の呼吸では、使われている筋肉は少ないですし、胸郭の大きさも少し変化する程度でしたね。それもそのはず、一日に約2万回もしている呼吸でいちいち、胸郭が大きく変化していては、体は疲れてしまいます。
小さな動きでも胸郭全体が動き、体に十分な酸素を取り込めていればよいのですが、なんか、呼吸が浅いのよねと感じる方もいらしゃると思います。
呼吸が浅いと良いことはありません。特に吸気が少ないと体に酸素をしっかりと取り込むことができません。一日に約2万回もしている呼吸の中で、無意識のうちに、たくさん酸素を取り込めている人と、少ししか取り込めていない人では、体の健康状態に差がでてきます。
やはり、たくさん酸素をとりこみたいですよね。
私達がお伝えしているろっ骨エクササイズKaQiLa〜カキラ〜を行うと、深く息が吸えるようになります。安静時の呼吸とは違う方法で呼吸をしているのです。
↑こちらの記事は、カキラのグランドトレーナ仲間で綴るブログ「50万人が絶賛!自分でカラダの痛みやコリをとる方法!」へのTamakiの投稿記事です。
「50万人が絶賛!自分でカラダの痛みやコリをとる方法!」には、他にも健康に過ごせるヒントがたくさん投稿されています。