11月と12月は血流を促進するカキラを行っています。

レッスンの途中から、

ポカポカと体が内側から温まってきます。

うっすら汗をかかれる方もいます。

血液は熱を運びますから、

これらは、血流が促進された結果ですね。

血液は、熱を運ぶだけではなく、

体に必要な酸素や栄養、

免疫細胞を体の隅々まで運んでいきます。

また、

不要になった二酸化炭素や

老廃物の回収も行います。

血流がよくないと、

体を不調に導くということが分かりますね。

ところで、皆さんは、

心臓は、戻って来た血液と同じ量の血液しか送り出せないって

知っていましたか？

私は、カキラを始めるまで知りませんでした。

つまり、血流を良くするためには、

静脈に溜まっている血液を

心臓へ戻してやることが必要なんですね。

心臓から、全身へ血液を送り出すのは、

心臓のポンプ作用や、

動脈の収縮と拡張によってなされます。

弾性のある厚い筋肉で覆われている動脈は、

自身で脈打つことができます。

一方、静脈は、

逆流しないように弁が付いていたり、

血液をスムーズに通しやすいように、

薄く伸びやすい構造になっています 。

でも、静脈自身で脈打って血液を流すことは、できません。

えっ、じゃあ、どうやって、心臓へ戻ってくるの？？？

心臓から上の静脈血は、

重力のちからで心臓へ戻って来ることができます。

その他の静脈血は、

「①骨格筋ポンプ、②呼吸ポンプ、③心臓収縮のポンプ作用」

によって、

心臓へ戻っています。

①骨格筋ポンプって何？

静脈は、薄く、伸びやすいため、

簡単に血管が押し潰れるようになっています。

この血管を押し潰す働きをしているのが

筋肉の動きです。

筋肉の動きで、そこにある静脈が押し潰され、

血管内の血液が心臓に向かって進んで行きます。

これが骨格筋ポンプ作用です。

ということは、

筋肉が使われないと、

静脈から血液が戻って来にくいってことですね。

カキラでは、レッスン後半に、

脚に負荷をかける型を行います。

下肢の筋肉を動かし、

静脈血をどんどん、心臓へ戻し、

血流を促進しているんですね。

②呼吸ポンプって何？

心臓や肺がある空間を胸腔、

胃や腸などの内蔵がある空間を腹腔といい、

それらの間に横隔膜があります。

横隔膜は、

息を吸うときには、下がり、

吐くときには、お椀のようになって、上がっていきます。

このため、

吐くときには、

腹腔が広くなり、

内部の圧力は下がります。

そのため、

下肢から腹腔内の静脈へ

血液が吸い上げられます。

骨格筋ポンプで押し上げられた静脈血が、

吐く息で、お腹までやってきましたよ。

息を吸うと、

鳥かごのような胸郭が広がりますね。

そうすると、

胸腔は広くなり、

内部の圧力は下がります。

そのため、

腹腔まで来ていた静脈血は

吸い込まれるように、胸郭の静脈へと入って行きます。

これが、呼吸ポンプの仕組みです。

さらに、呼吸ポンプを助けるような仕組みが、

横隔膜には備わっています。

横隔膜の中心には、

３つの穴（大静脈孔、食道裂孔、大動脈裂孔）が

開いていますが、

大静脈孔は、深く息を吸い込むと拡張します。

つまり

深く息を吸い込むと、静脈の流れが活性化するんですね。

カキラでは、

姿勢を整え、

胸郭を柔軟にし、

深呼吸をします。

どんどん、静脈血が心臓近くへ上がって行く環境を

整えられます。

③心臓収縮のポンプ作用って何？

胸郭までやってきた、静脈血は、

心臓が拡張する動きで、心臓へと戻っていきます。

これが心臓の収縮ポンプ作用です。

いくつもの工程を経て、静脈血は心臓へと戻ってきました。

カキラのレッスンで「更夜の型」を行っている時、

背中が熱〜くなることは、ありませんか？

これは、

「①骨格筋ポンプ、②呼吸ポンプ、③心臓収縮のポンプ作用」

で血流が促進されているからです。

今週のレッスンでは、お客様に、「更夜の型」を例にとって、

「①骨格筋ポンプ、②呼吸ポンプ、③心臓収縮のポンプ作用」

のお話をしました。

その後のレッスンでは、「更夜の型」や、

立位で行う型での動きが、

以前にも増して美しくなり、効果も上がりました。

ゆったりした動きなのに、

血流が促進されるカキラ。

ポカポカな体で、寒い冬を元気に過ごしましょう！